横浜市港北区で3児の母をやっております。
このブログでは働きながらの育児にまつわるあれこれを書いております。
共働きで子供を育てていると(または共働きを検討すると)必ずと言っていいほど一度は気になるのが「三歳児神話」。
三歳児神話が本当なのか嘘なのか・・・真偽や子供への影響が気になる方多いと思います。
私自身も今さらながらに改めて3歳児神話を調べてみて、思う所などあったので・・・
個人的意見も含みますが、まとめてみたいと思います。
三歳児神話に根拠はあるの?
三歳児神話とは一般的に以下のように定義されています。
三歳児神話(さんさいじしんわ)とは、子供が3歳になるまでは母親は子育てに専念すべきであり、そうしないと成長に悪影響を及ぼすという考え方
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AD%B3%E5%85%90%E7%A5%9E%E8%A9%B1
「悪影響」については、特に情緒的な面での悪影響というところが問題視されがちだし、親としても気になる点だと思います。
この三歳児神話・・・いつからか私たち親の耳に入り、何だかじわじわと観念を作っているような言葉なんですが・・・
実際に科学的根拠はあるの!?というところですよね。
三歳児神話に関して名のある学者さんやお医者さんなど色々な方が肯定論・否定論を繰り広げているようですが
どうやら
「肯定論についても否定論についてもいまだ科学的根拠を持って述べられているものはない」
「いまだにその真偽は各所で研究や議論がされている途中」
ということのようです。
三歳児神話っていつからどうやって生まれたの?というところを調べてみると「なるほどちゃんと理解して取り扱わないと要注意な思想だな」と思うところがあったので・・・まとめてみます。
三歳児神話はいつからあった考え方?
まず、三歳児神話の原形となったのは、第二次世界大戦後にWHOの要請を受けてイギリスの精神科医ボウルヴィが行った調査・研究の結果がもとになっているそうです。
ボウルヴィの調査結果によると
「幼少期に特定の大人(母親またはそれに代わる人)から十分目をかけられずに育った子供は成長に影響があった」
「特に3歳未満に特定の大人との関係性を失った子供に影響が出やすかった」
となっています。
これが日本に入ってきた時に「子供は三歳まで母親が育てるべき」という現在のイメージで世の中に浸透しました。
ただ、この三歳児神話・・・その後、その時々の日本の状況によって、都合よく解釈されているという事実はあるようです。
まず高度成長期。
この時期はとにかく経済第一で男性には会社のために身を粉にして働いてもらわなければならない時代です(日本政府として)。
つまり、家事育児などは女性が専業主婦となって一切を引き受けてもらったほうが都合がいい時代。
ここで三歳児神話はうってつけの理論だったと思われます。
ところがその後、日本は不況・低成長の時代へ。
時代の流れとともに女性の社会進出が推奨されながらも、三歳児神話に(潜在的にでも)縛られた女性の「出産」へのハードルは高いものでした。
そりゃあ少子化にもつながっていくわけです。。
そこで・・・1998年度の厚生白書に「三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない」と書かれたのです。
この白書での記載が現時点で政府の最終的な見解となっているため、働く女性はちょっと救われているところもありますね。
でもこうして見ると、最初に高度成長期で三歳児神話が根付いたのも、その後に白書で「根拠はない」とされたのも・・・日本の政策に沿うような形で広められていると思うんです。
解釈の変遷とその時代背景を見てみると、「三歳までは母親が・・・」と押し付けるのも、「三歳児神話なんて根拠がないというのが常識」と大いばりで主張するのも、どちらもなんだか国の都合に乗せられてるような気がしてきちゃうんですよね。
もちろん各自の専門分野からの視点なり、独自の調査なり理論なりを元に肯定・否定の議論をするのは有意義だし必要なんですが・・・
大した(自分なりの)根拠も持たないのであれば、世の風潮やらに乗せられて単純に一方の解釈を採用してしまうのって問題あるんじゃないかなあと思うんです。
三歳児神話って日本だけのものなの?
以上のこと(三歳児神話の成り立ちと解釈の変遷)より、「母親による育児を強調した三歳児神話」は日本固有の考え方と言えそうです。
現に、欧米では母親が職業を持つのが当たり前の国や、育休すら取らずに復帰することもよくあるという国も。
ただし、最初のボウルヴィの調査結果にもあるとおり、「幼少期(特に3歳ごろまで)の特定の大人への愛着・信頼感形成」というのが大切、というのは統計的に見ても、多くのお母さんの実感(自身の子育て)から考えても事実に近いと思います。
「幼少期に大人から十分愛情をかけられることが大切」
これは疑わなくともよいと思うんですが・・・(なおかつその「幼少期」が「三歳まで」というのも、元々の調査結果もあることで信ぴょう性がある)
日本の三歳児神話で問題なのは「母親だけがその役割を担うことができる(それ以外の大人では代替できない)」という考え方に偏っている(またはその説に偏っていたばかりに反動で「母親でなくても問題ないはず」と反発しすぎる)という部分なのではないかと思います。
また、「十分な愛情」というのもその子供の元々の性格によっても量が違いますし、母親以外の大人がどの程度育児に参加しているかによっても必要量が違ってくるなど、単純に語れるものでもないのではないかと思います。
三歳児神話どう思う?私の意見
以上のことを踏まえたうえで、三歳児神話を個人的にどう思う?っていうところなんですが。
肯定論も否定論も、今はどちらも科学的根拠のない話。
振り回されるのは無駄
さらにワーママとしては
自分への戒め程度に認識しておけば良い
って思います(;´∀`)
ここから下は本当に個人の意見で、何らか裏付けるものがあるわけでもないのでそのつもりで読んでほしいんですが。
乳幼児期に特定の大人に愛着を持ってお世話されて過ごす、ということ自体は子供の情緒形成の面でも確かに必要なことなんだろうと思ってます。
で、その特定の大人って、自然に考えたら、やっぱり母親なんですよね。
その役割はミルク育児で父親や祖父母やらでもできますけど、自然体で言ったらどうしても母親になりますよね。
なので、赤ちゃんが最初に愛着を持つのは母親で当然とも言える。
そのことと「ごく小さい(3歳くらいまで)は特定の大人がしっかり愛情をかけて育てるべき」というのがドッキングしたら、三歳児神話になりますよね(;´∀`)
なんで、三歳児神話って、別にまるっきり嘘ってわけでもないし、子供のことだけを考えたら一番楽な解決策というか。
誤解を恐れずに言えば、母親が3歳まで専業主婦ってのが育児の方法として難易度が一番低い案になると思うんですよ。
でも今ってそういうこと言ってもいられない世の中じゃないですか。
高度成長期とは違って、長年働けば給料が上がると保証されているわけでもなく、終身雇用も今時ないに等しい。
父親の収入だけじゃ人並みの生活できない人もいるし、女性だって経済的に自立できる時代に自立せずにいることで葛藤も生まれる。
二人目三人目って産んだら三年どころじゃ終わらないのに、その後希望する仕事に戻れるかという不安。
そして、小学校になったらなったでさらに働き方に制約が出がちという事実。。
etcetc・・・
母親たるもの、子供を産んだら自分の人生レベルでやりたいこと(仕事)を諦めてでも、子供に集中するのが当然、という時代でも環境でもありません。
だから・・・科学的根拠のない三歳児神話に振り回されてないで、各自の状況でできるだけの愛情を子供にかけてあげられるように工夫するしかないし、それで良いと思うんです。
母親が仕事を辞めて3歳まで家で育児をする!という選択肢が取れるのであればそうするのがよいし(それが一番わかりやすい解決策という意味で)
そうもいかない場合は時短したりシフト勤務したり、フルタイムなら父親にもたまには早く帰ってきてもらうとか、祖父母の力も借りるとか。
どんどん開発される時短家電や便利なサービスを利用して、家事<育児とできるようにするとか。
↓こちらの記事内でも時間をお金で買うアイデアいくつか例を出してます
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フルタイムと時短 復帰で迷う!給料や保育園生活との兼ね合いは?
続きを見る
保育園も、子供のことをしっかり見てくれる良い保育士さんに預けられるよう、保育園見学を頑張るとか。
母親が仕事を辞めるよりは子供に愛情を注ぐ量&質を確保する難易度は上がりますが、不可能ということはない。
なぜなら、元・生粋の保育園児で保育園大好き・母親大好き&尊敬して、しっかり成長している大人もたくさんいるから。
ちなみに私自身の母親は専業主婦でしたが、田舎からこっちに出てきて、頼れる親戚もいなくて、父親は仕事で全然家にいなくて、年子の子供をよく育ててくれたなあと思うんだけど・・・
途中で煮詰まったのか、とある活動(宗教とは言わないがまあそれに近い)にいそしんでてほぼ鍵っ子でしたし(;´∀`)
でも鍵っ子で寂しく思ったときも正直ありましたが、家で母親に鬱々とされてるよりはるかに良かったかもしれない。
子供のせいで母親が自己犠牲感満載で接してきてもつらいですからね。
ちなみにその後私たちが手が離れてからの母は、その活動(←子育てで悩むママ達の拠り所みたいなとこだった)は辞めました。で、生活には困っていないけどパートに出るようになりました。
ちょっと三歳児神話とは論点がずれてきましたが・・・
結局のところ
みんな自分の選択した道を否定したくないから、ワーキングマザーは「そんなの根拠ない神話」と主張するし、昔の母親や仕事を辞めた専業主婦や、はたまた育児を理由に仕事を辞めたい女性が「やっぱり三歳までは・・・」と言ってみたり。
自分の道のりが正しいこと前提で三歳児神話を論じていて、意味ないな~と思うんですよね。
そうではなくて
- 小さいうちからの保育園が合う子もいれば合わない子もいる
- お母さん以外が育児に参加している家もあればそうでない家も
- 専業主婦が合うママも合わないママもいる
- 働く時間や子供のサポート体制も家庭それぞれ
かなり個別性がある中で、「三歳児までは家で母親が見た方が良い」と一刀両断するんじゃなくて
そしてそういう意見に振り回されているんじゃなくて、できるだけのことを模索していく。
ママ(やパパ)がママの仕事や育児をどうしていきたいかを考えた上で、できる限り子供に愛情を注ぐ方法を模索していくしかないということなんじゃないかと。。
でもあえて重ねて言うと、ママが仕事辞めて家で見るのが一番簡単だと思うんですよ(;´∀`)
私は子供3人とも0歳から預けて働いているワーキングマザーですが、「やはり3歳までは母親が・・・」という意見を聞くと、「まあそうですよね」と素直に思います(;´∀`)
子供に愛情をかけられる量としては専業にはかなわないのは事実ですし!
子供には愛情の質も大事だけど(その子の性質によっては)量が大事になるのも事実。
「離れている分、愛情の質を・・・」と言っても色々と工夫は必要でしょうしね。。
専業主婦はやろうと思えば愛情の質も量も上げられるんですから。
でも私としては、仕事せずに専業主婦になるという選択肢は(経済的にも自身のためにも)あり得ないので、働き方を変えてみたり、子供とのかかわり方を考えてみたり、試行錯誤してます。
そういう考えの上で三歳児神話に接すれば振り回されることもなく冷静にとらえられると思うんですが、、
皆が皆、3歳まで専業主婦ではいられない世の中なのは間違いないのに、「3歳まではそばにいてあげて」って安易に発信するのはお母さんたちが苦しむ元(だってそんなのわかりきってるので)になりかねないので、気を付けないとなあと個人的には思っています。
三歳児神話の根拠は?真偽は?まとめ
三歳児神話って女性の人生を動かすかもしれない程度には影響力のある話だと思うんですよ。
なので、なかなかうまく論じれないなあと思っていたんですが、今回はあくまで私見ということで書いてみました。。
ワーキングマザーの立場としては「三歳児神話なんて科学的根拠がないんだし、0歳からでも保育園に預けて働いてるけど子供は問題なく育っている」としておけば都合が良いというところですが(;´∀`)
そんな単純な話でもないですよね~
子供の個性も親の個性もバラバラなので、その子供ごとに最適な接し方というのを模索していかないとですね。
最新の技術で自宅でもできる子供の遺伝子検査でその子の感性・適正がわかったりなんてのもあるらしく
↓ ↓
我が子にできる限りのことをしてあげたい!という親の間で話題になっているようですよ。
何にせよ・・・三歳児神話、しかるべき場所で冷静に議論が尽くされることを祈っています( ゚Д゚)
そしてもし三歳児神話が正しいという科学的根拠が見つかったら、それをベースに3歳まで専業でもその後仕事復帰できるのが当たり前な世の中になって欲しいな~と・・・
ま、そんな世の中いつになるかわからないので
とりあえずワーキングマザーを勇気づけてくれる本でも読んで頑張りましょ(*´▽`*)
↓これ私も買って読んだ
とりとめもなくなった感ありますが今回はここまでです。