2019年10月に始まる幼児教育無償化が近づいてきました。
保育料無償化より保育士の確保や待遇改善が先だろう!
とか
保育料無償化するくらいなら待機児童をまずゼロにしてほしい・・・
という議論はつきませんが・・・(;´∀`)
ひとまず無償化は実際に始まるということで、色々気になる点や確認しておきたい点もありますよね。
ということで今回はこの幼児教育無償化にて、給食費が実費徴収?!というところの詳細と、いくらになるのかなどのテーマでまとめてみました。
無償化で給食費が別徴収になるということはうっすらでも聞いている人も多いと思いますが、じゃあその理由やら実際どうなるのかなどもイメージして心の準備をしておきましょう◎
保育料無償化に給食費は含まれない
保育園と幼稚園の両方で実施される「幼児教育無償化」の制度。
対象となる子供は
- 1号認定(幼稚園児(年少・年中・年長クラス))
- 2号認定(3歳児・4歳児・5歳児クラス)
となっています。
しかし「無償化」と言っても、保育園に払う利用料の全てが0円になるというわけではありません。
基本となる保育料が無料(認可保育園以外は上限あり)となるだけで、元々別で園に徴収されていた以下のような料金は今まで通り払うことになります。
- 制服代
- 教材費
- 通園バス代
まあこれらの支払いは今まで通りなので良いのですが・・・
保育園に通うご家庭の場合、今まで払っていなかったけど無償化に伴い増える支払いがある!
それが「給食費」です。
給食と言えば冷凍ミカン。あ、揚げパン派ですか?
給食については、元々、保育園の3歳児クラス以上は給食費の内の「主食費」を毎月支払っている(園が多い)と思います。
これが保育料無償化される2019年10月からは、「主食費+副食費」を徴収されることになるということです。
(完全給食ではなく各家庭主食持参という保育園もあるようですが、その場合はもちろん副食費のみ支払いとなるでしょう)
給食費が無償化の対象外である理由は?
保育料無償化と言いながら、今まで払わなくて良かった副食費の負担が増える・・・
この問題について、「なぜなの?」という疑問もあるので整理しておきます。
幼稚園と保育園だともともとの設置されている目的が違います。
幼稚園を管轄するのは文科省。
すなわち幼稚園は教育機関の一つです。
給食を出す幼稚園も一定数ありますが・・・
給食費は教育費ではない、ということで、幼稚園に通う場合は給食費は各家庭から別途徴収されています。
一方で、保育園を管轄するのは厚労省。
保育園は教育機関ではなく福祉施設です。
ここでは給食は福祉に含まれる、ということから、給食費を別で負担することはなし(保育料に含まれていた)だったわけです。
元々幼稚園と保育園ではこういった違いがある中で、今各家庭が支払っている料金をそのまま無償化してしまうとなると、給食費の分の不公平感が出てしまいます。
ですので、保育園側が給食費(副食費)を別途徴収する形で(幼稚園側に)寄せた、ということなのです。
今までは保育園だけ給食費込みの保育料であっても、保育園の保育料水準の方が幼稚園より高かったので、問題になっていなかったんですが・・・
今回1号(幼稚園児)も2号(保育園児)も無償化としたため、給食費を実費徴収しないと不公平感が出てしまうのは確かになんですね。。
給食費も含めて無償化すれば?
じゃあ逆に、保育園も幼稚園も両方とも、給食費を含めて無償化してしまえばいいんじゃない?となるかというと・・・
これは財源がさすがに足りないようです(;´∀`)
また、幼稚園で給食を実施していない園も多数あります。
数年前の国の経営実態調査によると、全体の内33%の幼稚園が給食を実施しておらず、また給食実施している幼稚園についても頻度は不明(様々)でした。
なので給食費を含めたまま無償化するのは、それはそれで不公平感を消しきれないというわけです。
ただし。
東京都内など、一部の財源が豊富にある自治体においては、給食費(副食費)についても区が負担するなどして、完全に無償化になるというパターンもあるそうです。
あくまで国の施策とっしては副食費は各家庭負担ですが、自治体独自の財源でそれも払ってくれるということですね。
保育園通いのご家庭にとってはお得な話ですが、幼稚園通いの側からずるい~と言われそうですね(;´∀`)
保育園無償化で給食費はいくらくらいになるの?
保育料が無償化されることにより給食費が別途徴収となるのはわかった。
では実際にいくらの負担になるの?というところですが。
給食費は各保育園によって独自に決めて良いらしい。
つまり、認可であっても保育園によって料金は異なります。
これは(保育料無償化前の)現在でも保育料とは別で徴収となっている夕食代などを見てもそうなのですが・・・
給食費は材料費の実費をもとに各家庭から集金ということになっているので、各保育園の給食にかける予算によって値段が変わってきます。
ただ実際には国や自治体が基準として示している上限額があり、それを超えないように設定しています。
で、このたび国の示している基準(内閣府資料より)を見ると、副食費は月額4500円を上限とする、ということになっています。
ですので、園によって異なってくるとは言え、目安としては「現在の主食費+4500円(最大)」で心の準備をしておけば良いということになりますね。
※無償化スタート後追記:うちの子の保育園では副食費は想定どおり4500円となりました。
4500円で1年間払ったら
こんなジュエリーも買えるくらいの値段ですから結構なもんですね(‘Д’)
で、今の保育料によっては給食費負担の方が高くなりそう(=保育料無償化で逆に支出が増えそう!)というパターンもあると思います。
こういったケースへの対応としては、年収360万円未満相当の家庭については、給食費を免除するという内閣府令が出ています。
あとは、自治体によってはこれまで自治体独自に(年収360万円以上でも)保育料負担が安くなるような施策を実施してきている場合もあります。
その場合は先ほど書いたような国の指針にある「給食費免除対象者」には当てはまらないため、やはり無償化で逆に出費が増えるということもあるのかもしれません。
(こういったケースについては、国としては「自治体側で配慮せい」ということにしているようです)
無償化したせいで逆に出費が増えた!ということにならないよう、国の施策としては考えているようですが、全てのケースに対応しきれるかというとなかなか難しいのが現実ではないでしょうか。
保育園幼稚園無償化後 兄弟児がいる場合の給食費はどうなる?
もう一つ気になりそうな点として、保育園に通う下の子(0歳・1歳・2歳児クラスの子供)に関しても給食費は実費になるの?という疑問に関してですが。
0~2歳児クラス(3号認定)はそもそも幼児教育無償化の対象外なので、保育料の中に給食費が含まれた、今の保育料のままで徴収されます。
※ただし市民税非課税世帯は0歳~2歳児クラスのお子さんについても無償化されます
ですので、0歳児、1歳児、2歳児クラスに通っている(これから通わせる)子供については、給食費が実費で別徴収されるようなことはなく、(認可であれば)自治体によって決まった保育料を払うだけとなります。
ただ、3歳児以上のクラスに子供が複数人通っている場合、(今まで保育料の減免(2人目半額や3人目無料)があったと思うのですが)給食費に関しては実費になりますので、兄弟児減免は保育料の減免とは異なる形になるそうです。
第二子は減免なし、第三子以降は副食費免除にするそうですね。
なので、3歳4歳5歳児クラスの年子3兄弟だとすると、全員保育料はゼロですが、給食費(主食費+副食費)×2+第三子の主食費がかかるという見込みでいましょう。
保育園無償化後の給食費 その他にも問題点が潜んでいる可能性
ここまで書いてきた給食費の問題だけでも、幼児教育無償化、全ての家庭が納得するような制度にするのはとても難しそうですね。
また、給食費を実費で・・・とは言いつつ、本当の実費ではなく、「実費をもとに各園で計算した給食費」を月額で払うということにはなります。
なので、病気やその他都合で登園日数が少ない場合は減免するなどのルールにしないと納得感がありませんが・・・
ここは対応してくれる園が多いと思います。
今回は認可保育園を念頭に記事を書いてきましたが、認可外だと今までの保育料その他ルールもバラバラだと思うので、ここで書ききれないような問題点も色々ありそうです。
幼児教育無償化、頑張って始めたはいいけど頓挫することのないように・・・
どんどん問題点を改善していってくれればよいのですが。
あとは、保育園にとっては給食費の設定・集金という新たな仕事も増えますから・・・今でも大変な保育園が苦労することないような制度になることを祈ります。
(保護者がごねたりする先が保育園に向かわないように・・・!)